【飲食店開業者向け】飲食店の外観デザインを考えるポイント
1.なぜ外観を重要する必要があるのか

飲食店を開業しようと決めたら、提供する料理のメニューやターゲットの客層など様々な事柄を決める必要があります。その際に、じっくり考えておきたいのが集客の戦略です。
「料理さえ美味しければ、自然とお客さんが来てくれる」
そう思う人も多いかもしれません。確かに、飲食店にとって美味しい料理を提供することは、集客やファンづくりにとって間違いなく大切な要素ですが、実は飲食店の「見た目」すなわち外装を工夫して他の店と差別化することも非常に重要な要素です。
なぜなら、人間は見た目でその中身を予測する傾向が高いからです。具体的に、人間がなにかに興味を抱く時の思考を分析すると、まず初めになにかに気づき、興味を持てばそれについて調べ始め、実際に行動を起こすというパターンが一般的です。
無意識に行われるこの思考パターンは、飲食店を選ぶ時にも当てはまります。飲食店の外装が与える印象で、その店に興味を抱くかどうか、入るかどうかが決まってしまいます。そのため、外観デザインを考える場合は、まずは周囲の人に気づいてもらうこと、その上で興味を感じてもらえるように工夫することが必要です。
2.ファサードが担う役割と具体例
自分の店の外観デザインを効果的なものにしたいなら、その役割を押さえておかなければいけません。
正面から見た時の建物の外観は、「ファサード(facade)」と呼ばれます。ファサードが持つ大きな役割は、飲食店の「顔」として店舗の存在を周囲にアピールすること。店舗の業種や雰囲気を表すファサードは飲食店の印象を左右するため、歩行者が店舗に気づいて入ってくれるかどうかは、このファサード次第といっても過言ではありません。外から眺めた時に、何の店なのかわかりにくいデザインでは、集客に繋がりにくくなってしまい効果的とはいえません。
例えば、イタリアンの飲食店を探している人の中には、ファサードでどの国の料理を提供する店なのか判断する人も多いはずです。イタリアの国旗を飾ったり、レンガ造りにしてバルを思わせる雰囲気にすれば、イタリア料理店を探している人を誘導しやすくなります。
3.効果的なファサードを作るためのポイント

周囲に飲食店の存在に気づいてもらって、どんな料理を提供しているか知ってもらうことがファサードのひとつの役割ですが、店舗の良さを効果的に伝える手段としても活用できます。
それぞれの飲食店によってターゲットになる客層は異なりますが、そのターゲットを上手く引き込むためには「ファサードが店舗のコンセプトや業態を分かりやすく示しているか」が重要なポイントです。
そのために、ターゲットやコンセプトに合うファサードを作ることが大事になってきます。まずは自分が目指すコンセプトと、集客を狙うターゲットを、ファサードにどのように反映するかを考えることが必要です。
例えば、「価格設定は比較的高く、ターゲットは年齢層が高めで金銭的に余裕のある客層」となっている場合、重厚感があって高級な雰囲気のファサードにすると良いでしょう。ファサードはカジュアルな雰囲気なのに価格帯が高い店だった場合、「自分が想像していたイメージと違う」と退店されてしまう可能性があります。
4.外観デザインを考える時は、立地を考える

外観デザインで成功するためのもうひとつのポイントは、立地を考えたデザインにしてターゲットを誘導することです。店の「顔」になるファサードですが、店舗によっては人通りが少なく、人の目につきにくい立地であることも考えられます。
ファサード本来の役割を果たすためにも、「人の流れ」を考慮して設計することが大切です。例えば、人通りの少ない場所に飲食店を構える場合、道路管理者からの許可を得て大通り沿いに看板を設置する方法があります。あるいは、電柱に店舗を紹介するチラシを貼るという対策も考えられます。間口の狭い店や2階以上に飲食店がある場合は道路から目立たなくなるので、キャッチ―な看板を利用してインパクトを感じる外装にした方が効果的な場合もあります。
ただし、ファサードを奇抜にし過ぎてしまうと周囲から浮いてしまって、入りにくい雰囲気になる可能性があります。そうならないためにも、周辺の環境とのバランスを考えながらデザインを決めるようにしましょう。
【まとめ】飲食店の集客効果を高める上で、ファサードは非常に重要!
せっかく自分の飲食店を持つなら、ファサードを活用して集客率を上げましょう。店舗の外観が持つ役割を正しく理解し、自分の店のコンセプトを反映したファサード作りを行うことが必要です。その際、ターゲットを踏まえた上で、立地条件も考慮すると効果的な外観になるはずです。